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ええと、早速ですが「四人家族が三が日に消費するには明らかに多過ぎる餅…せめて真空パック入りのものにしておいて欲しかった……」の補足というかなんというか。
メソアメリカにも「翼ある蛇」というものがいなかった訳ではないっぽいです。
ミゲル=レオン-ポルティーリャ編『Native Mesoamerican Spirituality』に収録されたミシュテカ人の起源神話によると、男神「1の鹿、通称ライオンの蛇」と女神「1の鹿、通称虎の蛇」の間に生まれた2人の息子「9の蛇の風」「9の洞窟の風」のうち、弟の「9の洞窟の風」は翼ある蛇に変身することができたそうです。
しかし、この翼ある蛇といわゆるケツァルコアトルとの関係はよく判りません。
この神話の出典は修道士グレゴリオ=ガルシアの著作『Origen De Los Indios De El Nuevo Mundo, E Indias Occidentales』です。
また、この神話は松村武雄編『メキシコの神話伝説』にも「III ナフア族の神話伝説  1 世界の始め」のタイトルで収められています。「あらゆる動物に姿を変えることも出来」でまとめられている中に翼ある蛇も含まれていた訳ですが、このエピソードはルイス=スペンスの『Myths of Mexico and Peru』からほとんどアレンジなしで翻訳したものです(参照元ではミシュテカの神話となっていたのをナフア(ナワ)にしてしまったのはさて措き)。なお、『メキシコの神話伝説』で「『豹蛇』と呼ばれる雄々しい鹿の男神と、『虎蛇』と呼ばれる麗しい鹿の女神」とあるのは、ガルシアの原文では「vn Dios, que tuvo por Nombre vn Ciervo, i por sobrenombre culebra de Leon; i vna Diosa mui linda, i hermosa, que su Nombre fue vn Ciervo, i por sobrenombre Culebra de Tigre」です。男神と女神の名はいずれも「vn Ciervo(1の鹿)」で、通称がそれぞれ「culebra de Leon(ライオンの蛇)」「Culebra de Tigre(虎の蛇)」だったということです(「Leon」「Tigre」は普通は「ライオン」「虎」ですが、メソアメリカ的に考えると「ピューマ」「ジャガー」となるようで、ミシュテカの起源神話についてウェブで検索すると彼らは「 Uno Venado Serpiente de Puma」「Uno Venado Serpiente de Jaguar」という名で出てきたりもします)。「1の鹿」とは彼らのメソアメリカではおなじみ暦の名ですが、松村氏が参照したスペンスの本では「one day the deer-god, who bore the surname Puma-Snake, and the beautiful deer-goddess, or Jaguar-Snake, appeared」となっていました。つまりこの件はスペンスの解釈がおかしかったのであって、中南米に関してはおそらく専門外であった松村氏はそれをそのまま訳してしまっただけです。

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