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アステカも! やってますよ!
……ようやく『悪夢に夢を見るな』トップ絵を新しくしました。
pixivの【ぴくテカ】企画にもテキスト付きで上げてあるので、よろしければそちらもどうぞ。

【ぴくテカ】テスカトリポカ by 約翰/Lajos Jancsi on pixiv


(ぴくテカの規約上、手足切断描写があるためR-18Gにしてあります。
pixivの閲覧制限を変更せずにご覧になるにはこちらからどうぞ。)
 

ひねくれ者かつ衒学者な約翰は、ついついマイナー気味なネタに走ってしまうのでした。という訳で、pixivで書いたことの補足を少し。
テスカトリポカがシトラリクエとシトララトナクの息子の一人(ケツァルコアトル・ウィツィロポチトリ・テスカトリポカ・ヨワルテクトリ・トラウィスカルパンテクトリの兄弟)という設定は『テレリアーノ=レメンシス絵文書』から取りました。『絵によるメキシコ人の歴史』版の赤のテスカトリポカ・黒のテスカトリポカ・ケツァルコアトル・ウィツィロポチトリの4兄弟という記述を否定するつもりはありません。こういう説もあるよと紹介してみたかったんです。
トランのウェマクを陥れ嘲笑するため女に化けて同棲というのは『クアウティトラン年代記』にありました。「126cm」にもう少し詳しく書いてますのでそちらをご参照ください。
「浅ましき男色者」呼ばわりは『フィレンツェ絵文書』第3・4書あたりですね。重い病気で苦しんでいる男がティトラカワン(テスカトリポカの別名、「我らは彼の奴隷」の意)を「おおティトラカワンよ、おお浅ましき男色者よ! すでに汝は我を相手に快楽を得た。疾く我を殺したまえ!」と非難したとか(ティトラカワンがこのことで怒らなければ病気を治してくれるが、そうでなければこのために病人は死ぬ)、戦争で捕虜を捕らえたが逃げられてしまった男がテスカトリポカに「汝男色者よ、おおティトラカワンよ! おおこのことが更にまた汝を堕落せしめた! 呪われてあれ、汝はただ我を弄ぶためだけに我に捕虜を与えたのだ!」と呪って悪罵したといったエピソードがあります。対テスカトリポカに限らず、男色者呼ばわりはアステカでは大変な侮辱であったようです。オリジナル設定の受け云々ですが、先に挙げた女に化けて同棲ということから来たイメージもあり、ナワトル語のcuiloneとは受けのことであろうとしている論文を見たことがあったからでもあり、言われてみれば「女々しい奴」「カマ野郎」みたいなニュアンスで使われてることもあるっぽいねと思ったからでもあり。でも襲い受け。襲われた方がただじゃすまない。
スカンクの話は『フィレンツェ絵文書』第5書を参照しました。スカンクの他にもヨワルテポストリとか大男とか死体の包みとかコヨーテとかいったものがテスカトリポカの化身として現れます。
太陽を奪う話は『絵によるメキシコ人の歴史』より。「ツィツィミメが天から降りてきて人々を喰らい、神々は自ら死に、テスカトリポカが太陽を奪い去り全ては滅ぶ」とされています。
それから、テスカトリポカが持っている手ですが、これは実は詳しいことは分かっていないのです(少なくとも私には)。図像としては、『フェイェルヴァリー=メイヤー絵文書』や『ボルジア絵文書』(こちらでは赤のテスカトリポカだけど)などに出てくるものです。アステカにハマって間もない頃に描いた絵では、アイリーン=ニコルソンの『マヤ・アステカの神話』の「戦士で毎日の神たるテスカトリポカが、人身御供の最も美味な部分と信じられていた掌を貪り食う」という記述に倣っていたんですが、エドゥアルト=ゼーラーによる『フェイェルヴァリー=メイヤー絵文書』の解説では「まるでこの神が演奏していた骨製のフルートのように、もぎ取られた人間の前腕の掌を彼の口に押し付けていた」とあったので、本当のところは何やってるんだろうと分からなくなりました。しかしながら、人間の腕が魔術に用いられたことがあったのは確かなようです。テスカトリポカが握っているものとは直接的には関係ないかもですが、『フィレンツェ絵文書』第6書によれば、泥棒が盗みに入った家の人間を気絶させるために出産の際に亡くなった女性の左前腕を取るので(他にも髪や指も戦場で敵の足を痺れさせる効果があるとされやはり狙われる)、夫は4晩の間妻の遺体が盗まれないよう守っていたとのこと。そんな訳で、私が描くテスカトリポカが持っている腕はマジックアイテム兼食料ということにしました。
……あ、そうだ。テスカトラネシュティアもオリジナル設定に組み込んどけばよかった。今になって思い出すとか……「テスカトリポカが持つ両面鏡は片面が煙る鏡テスカトリポカでもう一方は事物を明らかにする鏡テスカトラネシュティア」というネタを以前思いついていたのでした。テスカトリポカが両面鏡を持っているというのは『クアウティトラン年代記』、テスカトラネシュティアが出てくるのは『トルテカ=チチメカ史』です。直接関係はないけど混ぜてみました。テスカトラネシュティアについてはブログの過去記事「あのラ・フランスどうするんだよ。どうしてくれるんだよ。」「「Drunk for a penny, dead drunk for tuppence」を敢えて「1ペニーで酔っ払い、2ペンスで死ぬ」と訳すセンスが好きだと思いながらジンを飲む」に書いてあるので、そちらもご覧ください。
 

話は変わりますが、「日本誤訳・アステカ神話」はいったん下げました。訳・構成など見直し手直ししてから再公開したいと思います。
 

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