Tasteless Blog

星に願いを

7月 3rd, 2013

前回の記事で少し触れた「17世紀のフランスで描かれたらしき本の挿絵のウィツィロポチトリがひどいっていうか日本もなんかすごいことになってる」に関連したあれこれ。
少し前にツイッターで邪神ウィツィロポチトリが紹介されてまして、興味を覚えた私がもう少し調べてみたところ、こんなサイトを見つけました。
このサイトにはあいにくウィツィロポチトリの画像は未掲載ですが、日本についての画像に衝撃を受けたのでそれはそれで良しとします。
いやもう……「Dairoって内裏?」とか「ライオンは狛犬なのかな…しかし阿形吽形はちゃんと再現されてるのな」とか「日本の皇帝って、どこのスルタンだよ! ……っていうかこれ、天皇じゃなくて将軍? 三つ葉葵の紋があるから……諸大名が王でその上に立つ将軍は皇帝ってこと?」とか「ちょんまげがトンスラみたいになってる!」とか、いろいろ気になります。
このサイトを見付けるきっかけになったウィツィロポチトリですが、この姿はきっとアステカの神々がスペイン人によってキリスト教でいう悪魔とみなされたためにこんなことになったんでしょう。頭の羽根飾りがインディオらしさをアピール。
ちなみに、『フィレンツェ絵文書』にもこんなのがあります。トラロックなんですが……。

そしてウィツィロポチトリの上方左右の偶像は、多分『マリアベッキアーノ絵文書』のミクトランテクトリシワコアトルを基に描いたものだと思います。なんでこの2柱かというと、恐らく髑髏面でいかにも禍々しいからでしょう。特にミクトランテクトリは食人儀式に関わってるし。
『マリアベッキアーノ絵文書』のミクトランテクトリといえば、この絵文書にはミクトランテクトリは髑髏面ver.と普通に肉も皮もあるver.と両方載ってるようです。で、テスカトリポカがミクトランテクトリに髑髏面を着けさせたという神話の出典は何なんでしょう? NHKの大英博物館の本でしか見たことがないのでいまだに原典を知らないのです。
そうそう、古代エジプト好きでもある私としては、エジプトに関する描写も気になるのでした。「ユピテル=アンモンの神殿」って、カルナック神殿のこと?
(実際のカルナック神殿)


ところで、ユピテル=アンモンで思い出しました。サアグンがユピテルになぞらえているのはテスカトリポカですが、ドゥランはトラロックなんですよね。サアグンの場合は「テスカトリポカ→神々の王→ユピテル」という発想のようですが、ドゥランの方は「トラロック→雷→ユピテル」という連想を働かせたからです。
そして、サアグンはウィツィロポチトリやケツァルコアトルをヘルクレスにたとえてます。これは恐らく、ウィツィロポチトリ&ケツァルコアトルが神というだけでなく人間としての要素も持つこと――メシーカ人の指導者とかトルテカの神官王とか――に着目したためでしょう。ただの人間だのモータルだのと強調してるし。
なお、ドゥランは軍神という要素を重視して、ウィツィロポチトリをマルスにたとえています。
ついでだから、サアグンがアステカの神々に当てはめたローマ神を先に挙げたの以外にもご紹介。
チコメコアトル→ケレス、チャルチウトリクエ→ユーノー、トラソルテオトル→ウェヌス、シウテクトリ→ウルカヌス
……チャルチウトリクエがユーノーっていうのはどういう関連があるんでしょうか? 別の史料で思い出せたものとしては『マリアベッキアーノ絵文書』にテスカトリポカとチャルチウトリクエが同じ画面に描かれてるらしき絵があるけど、絵だけでテキストがないのでどういう状況なのか判らないのでした。

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