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今朝のディケイドに出てきた敵の「十面鬼ユム・キミル」はマヤの死の神「ユン・シミル」から来ているんでしょうか? 中南米のジャングルつながり? アマゾンとユカタンはずいぶん離れている気もするけれど。

『フィレンツェ絵文書・第7書』が届いたので、さっそく踏み台昇降運動をしながら読んでおりました。
そうしたら、第5の太陽に生贄を捧げるくだりで、意表を突かれる展開が。
「え……ショロトルが泣いたのは他の神々が死んでしまったのを悲しんだから、なんて理由は書かれてない……?」
いや、ショロトルといえば「他の神々が新しく創造された太陽を動かすための生贄として死ぬのを悲しんで泣いたあまりに眼球が流れ落ちてしまった」というエピソードが有名ですが、『フィレンツェ絵文書・第7書』にはその記述はないんですよね。
この本でもショロトル、泣いてはいるんです。けれど、「それから神々を殺すことがエエカトル(=ケツァルコアトル)の役目となった。しかし次に述べるように、ショロトルは死ぬことを望まなかった。彼は神々に言った「私を死なせないでください、神々よ」。彼はあまりに泣いたので、彼の眼と瞼はあふれ出してしまった。そして死が彼に迫ったとき、彼はその場から逃げ出した」……なんか、この文章からは、ショロトルは単に自分が死ぬのが嫌で泣いて、挙句逃げ出したように取れるんですけど(訳のしょぼさはご勘弁を)。
というか、「仲間の神々が死ぬのを悲しんで」という記述の出所はどこなんでしょう?
そう思って、『メキシコの神話伝説』のショロトルの項を読むと、そこには確かにこうありました「なぜに目の玉を持っていないかということは、説明に苦しまざるを得ぬ。もっとも後で説くように、一個の神話に従えば、自分の仲間の神々が死ぬのを悲しんで、あまりひどく泣いたために目の玉が二つながら飛び出してしまったというのであるが、こうした説明はあてにならぬ」
それから、これに対応する記述がネタ元の『The Myths of Mexico and Peru』にもあったはずだと思い調べると、「彼は空っぽの眼窩を持つ姿で描かれるが、神話が説明するところによると、新しく創造された太陽に生命と力を与えるために神々が自ら犠牲となることを決意したとき、ショロトルは引き下がり、そしてあまりに泣いたため彼の両目は眼窩から落ちてしまった」と書かれていましたが、「仲間の神々が死ぬのを悲しんで」とは言っていないんですよね。
そういえば、他の神話や神々の解説をしている本ではそういう記述はあまり見覚えがないような……アステカ神話を扱うウェブサイトではちょくちょく見かけるけれど。そしてその多くは『メキシコの神話伝説』を参考にしていると思しい記述を含んでいるような。
……ということは、『メキシコの神話伝説』が出所ということでいいんでしょうか? あの本、著者の想像で加筆している箇所が多いもんなぁ……その分読みやすいし面白いんだけど。

追記……第5の太陽の創造に関する話で私が読んだことがあるのは、今回ネタにした『フィレンツェ絵文書』のものの他に、『太陽の伝説』のと『絵によるメキシコ人の歴史』のとがありますが、そのいずれにもショロトルは絡んできませんでした。
他のバージョンもあるようですが、生憎それらについては判りません。
しかし、第5の太陽の創造について紹介する際には『フィレンツェ絵文書』のか『太陽の伝説』のか、あるいはこれら2つを併せて再構成したものが提示されることが多いようで、とすると、少なくとも現代において特に重要とみなされている話ではショロトルは仲間の死を悲しんで泣いた訳ではないようだと思います。
若干余談気味ですが、ウィキペディアのショロトルの項には「ショロトル(Xolotl)は、アステカ神話の金星の神。炎と不幸の神でもある。 ケツァルコアトルの双子とされる。脚が後ろ向きの犬の姿をしており、その眼窩は空洞である。かつて神々が太陽を作り出そうとしていた時、 多くの神々がその身を犠牲にしなければならなくなった。 ショロトルは嫌がったが、 他の神々はこの世に太陽をもたらすために、その多くがその身を太陽に捧げていった。 かくして太陽は完成したが、ショロトルは仲間のいない寂しさに耐えられずに号泣し、余りの涙の量に両目玉まで流れ出てしまった。 そのため、ショロトルには眼球がないとされている。別の説では、太陽の生け贄になる事を嫌がり、水の中に逃げ込みアホロートル(ウーパールーパー)になったとされている」とあるんですが、『フィレンツェ絵文書』によれば、ショロトルは泣きすぎて目玉が流れた後に逃げて二股のトウモロコシ(ショロトル)やらリュウゼツラン(メショロトル)やらに化けた後、水の中に逃げ込みアホロートル(アショロトル)に変身したものの結局殺されているので、目玉が流れた話とアホロートルになった話とは別の説ではなくつながっている話なんですね。

拍手コメント

拍手ありがとうございました。
私はご覧のとおり、資料を集めたり検証したりするのが大好きなんですよ。お役に立てたなら嬉しいです。
自分が好きなことに他の人も興味を持ってくれるのって素敵なことだと思います。
もうずっとゲームどころじゃない日常が続いていて、Wiiも持ってませんが、気になる情報をありがとうございました。
長らくゲームから遠ざかっていたりサイトを休止したりな現状ではありますが、コクッパファンであることには変わりありませんので。

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