「コクッパとは?」に少し加筆しました。少し安心したような余計悔しさが募るような……ああもうああもう、『NSMBW』での設定変更が憎い心底憎い!
久し振りに図書館で借りた『イメージの博物誌34 双子と分身 <対なるもの>の神話』(ジョン・ラッシュ著、佐伯順子訳/平凡社/1995)を読んでたんですが、ケツァルコアトルとテスカトリポカについて「ペルシア神話で彼らに相当するのは、オフルマズドとアフリマンである」と言っているのは違うと思います。ケツァルコアトルとテスカトリポカはそんな風に善悪にきっぱり分かれていて常に対立しているって関係じゃないですよね。
『フィレンツェ絵文書・第6書』の360あるというテスカトリポカの別称はその内のごく僅かしか確認できてませんが、その確認できた中には「哀れみ深き者」というのがあるようで、だからテスカトリポカは問答無用で悪いことばかりする存在じゃなくて、少なくとも同情が期待できる相手ではあるんだろうなと思うんです。同書の別の箇所では、その役職において不正を働く支配者には死がもたらされるようにというようなテスカトリポカへの祈りも収録されてるし、正義を行う者ともされてるんですよね。
そういえば、ケツァルコアトルと対立するっていえばトラロックもですが、この2者の関係ってスルーされがちな気がします。個人的には(大井邦明氏の影響が多分にありますが)第5の太陽創造エピソードの裏テーマだとさえ思ってるんですけど。