スーパーマリオくん

 通勤電車でコロコロコミックを読むのは、やはり恥ずかしいことなのでしょうか。
しかし、会社の行き帰りぐらいしか買えないし読めないので仕方ありません……言い訳はともかく。
 コロコロに掲載されている漫画『スーパーマリオくん』。このタイトルには違和感を感じませんか? コロコロの主な読者は小学生ですが、それがいい大人を捕まえてマリオ「くん」とは何事ですか。……などと目くじらを立てたくなってしまいますが、そのようなタイトルでずっと続いているのにはやはり理由がありそうです。

 『スーパーマリオくん』を読んでみて思ったのは、この漫画のマリオはマリオ「くん」で良いんだろうなぁ、ということです。大人って感じがしませんから。確かに髭はありますけど、それには成人男性を象徴するとかいった機能はなさそうです。髭はあっても、目線の高さは読者である少年達と同じなような。
 特に子供にとって、ゲームの主人公はプレイヤーである自分の分身なのだと思います。ですから、あまりおっさんなイメージは感じられないのでしょう。
 おっさんどころかむしろ、少年のようにさえイメージされている節があります。マリオの声があの髭には似つかわしくない高い声なのも、その裏付けではないでしょうか。知る人ぞ知るCD『スーパーマリオブラザーズスペシャル』で、マリオ役の声優が佐々木望なのは合ってないんじゃないか、という意見がありましたが、そういったイメージに基づくキャスティングだとしたら、納得いくように思います。ところで、ルイージの声が高かったり低かったりするのは、やはり何らかの意図があるのでしょうか?
 それは取りあえず措くとして、漫画などでの描かれ方は、対象年齢が上がるに連れおっさん扱いになっていくようです。髭=おっさんという認識が強まるからでもあるのでしょうが、だんだんゲームの主人公とプレイヤー自身との間に距離ができていくということでもあるように思います。

 ところで、今までおっさんおっさんいってきましたが、実はマリオは20代だという話も何度か見ました。
アニメ映画『ピーチ姫救出大作戦』では、マリオは25歳、ルイージは23歳という設定だったそうです(何故双子じゃないんでしょう?)。
 実写映画『魔界帝国の女神』のマリオは34、5歳でしたが。もっといっているように見えましたが、それは役者の実年齢がもっと上だったからです。確か50歳くらいだったと。この映画では、ルイージの生年月日等は明らかにされていないので詳しくは分かりませんが、20代前半ぐらいな印象を受けました。「Day's eye」でも触れましたが、この映画の製作者は、マリオ=親父というイメージを持っていたのでしょう。

 ところで、私がマリオ達を描く時には何歳ぐらいに設定しているのかといいますと、実は20代説を採っていたりします。なんだか、私的にはマリオ達には余り親父イメージを持っていないのです。何故かと考えてみましたが、恐らく、子供向けな漫画での表現からの影響でしょう。
 しかしその他にも、特にルイージに関してですが、無意識的に自己との同一視の対象として設定してしまっているからという理由がある気もします。だって自分のことラヨシュとか名付けてるぐらいだし(苦笑)。


追記:この文章を書いた時点ではうろ覚えだったので敢えて触れませんでしたが、宮本茂氏はマリオ達の年齢は24歳前後という風にイメージしているそうです。
『64マリオスタジアム』内のインタビューその他で何度か言及されていたらしいです。
(情報提供者…ちかさん・K.Hさん)

さらに追記:その後『スマデラ』にて、マリオの年齢は26歳前後であると発表されました。

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