スイート・クリスマス

12月22日
サラサランドの王女は彼の写真を見て
「はあ・・・・ルイージ」
いつもの花が笑ったに過ぎない笑顔を出すはず彼女は、ため息をつくばかり・・・

ここ一週間、ルイージから何の連絡も無い
それだけじゃない、毎日といえるほどデートに誘っても・・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−
『ごめんね、ちょっと今日は仕事が入っちゃってるんだ。本当にゴメン』
「そっか・・・。そうよね、困ってる人を放っておけないもんね」
『デイジー・・・あのお・・・』
「じゃあね!お仕事頑張ってね!」
『あ、デイジ・・・』

ガチャン
ツー・・・・ツー・・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−

こんなやりとりが数日続いた
もし会えたとしても、一時間も会ってるだろうか
「はぁ〜あ・・・ルイージってばせっかくデートに誘っても仕事ばっかり・・・私よ
り仕事が大事なのかなあ・・・ううん!!ダメじゃない、そんな事考えちゃあ!!ル
イージは、困ってる人のために働いてるんだからね!あ、そうだ・・・」
何かを思い出したように、クローゼットの戸を開ける
「あったあった」
カゴを手に取る。そのカゴの中には・・・
「そろそろ仕上げに入らないと・・・」
カゴの中には緑色の「L」のマークが入ったマフラー
そしてデイジーは、電話台へと近づいていく
「ええと、ルイージの電話番号は・・・」
ピッポッパ・・・・プルルルル・・・・

ガチャ

「あ、ルイージ!?」
『・・・その声は・・・デイジー姫ですか?』
「あっマリオなの。久しぶりね、元気してた?」
『ああ、元気元気!で、どうしたんですか?あっ、もしかして・・・』
「そう!!ルイージに代わって欲しいのよ♪いるわよね?今日はお仕事お休みでしょ
う?」
『その〜・・・・。まことに申し上げにくいのですが、今はちょっと外出中なんです
よ・・・』
「え・・・・そう・・・・なの・・・」
『ええ・・・しかもかなり重要だとか・・・・』
「そう・・・」
『あの、伝言だったら伝えましょうか?』
「ううん、いいわ・・・・ごめんね、ありがとう」
『ハア・・・どうも』

ガチャン

「はあ・・・。ま、いいか!」
そして、さっさとマフラーを仕上げた
ゆっくり丁寧にラッピングする

・・・・・・

「でも、話ぐらいしたかったな・・・」

悲しい気持ちのまま、12月22日が終わる


そして、12月23日の朝
「うう〜〜〜〜ん・・・・よく寝た。今何時?・・・9時!?あらあ・・・結構寝
ちゃった」
窓を開け、雪と太陽の光が混ざった朝日を浴びる
「うわあ・・・真っ白ねぇ・・・綺麗だわぁ」

すると、ノックをする音が鳴った
「どうぞ入っていいわよ!あら、キノピオ。おはよう!」
「おはよう御座いますデイジー姫。お目覚めいかがですか?」
「ええ、今日もいい気分よ!真っ白な雪が綺麗ね!!」
「そうですね!あ、それとですね、25日のクリスマスパーティ!準備は順調ですよ
!」
「そうなの?今年も期待できそうね。」
「はい!去年よりも姫が喜ぶようなパーティにしたいです」
「・・・ね〜え?キノ〜?」
「はい?どうしましたか?」
「うっふふふふ・・・。早くどんなパーティなのか〜、私知りたいなぁ〜」
「くすっ。まだまだ内緒です!期待を胸にしっかりしまっておいて下さいな」
「もう!いじわるう!!でさあ、もちろんルイージも誘うんでしょうねえ?」
「当たり前じゃないですか!姫のためですもの!!」
「そう、それならいいわ!」
「では、失礼しました!あと、朝食の方もしっかり出来てますのでね」
「はいは〜い」

バタン

遅めの朝食も終わり、部屋にまっすぐ飛んでいったデイジー
そして、またもや電話に向かう
ピッポッパ・・・プルルルルル・・・・カチャ
「あ、もしもしルイージ!?」
『やあ、デイジー。久しぶり』
「ルイージ!久しぶりね!あなたと話せる日を待ってたのよ!?」
『ごめんねえ・・・。いやあ・・・最近ね、あのお・・・仕事が多かったんだ』

「本当に?・・・さっきの微妙な間は何なの?」
『ほ、本当だよ?それで、どうしたんだい?』
「もう、どうしたじゃないわよ!あのね、明日こそは絶対デートしたいのよ!イブの
日、空いてるんでしょ?」
『・・・・・・・』
「・・・何よ・・・まさか・・・だめ・・・な・・・の?」
『・・・ごめん』
「どうしてなの・・・・?」
『本当にごめん・・・でもね、キミのパーティにはぜった・・・・』
「もういい!!もういや!!!」

ガッチャン!!!

「ばかぁ・・・・ルイージの・・・・ば・・・か・・・・」

コンコン、と、ノックの音
「・・・・ないで・・・・」
「でも、デイジー姫・・・・・」
「入んないで!!」
「は・・・はい。失礼致しました」

「ルイ・・・・ジ・・・・ひどいよ・・・・ルイージ・・・・」


12月24日 クリスマス・イブ

「イブかあ・・・・。イブのデート、楽しみにしていたのに・・・・」
「でも、25日にパーティするんでしょう?会えるだけいいじゃない」
デイジーのベッドの隣には、ピーチがいる
相談に乗って欲しくて連れてきていた
「でも!さっきも電話したのよ!しかも、NO!!の返事だったのよ!?イブのデー
ト、毎年してたのに!!」
「毎年って言ったって、付き合い始めたのは去年でしょ?まだ毎年とはいえないじゃ
ないの」
「うっ・・・それは・・・・それはねえ・・・・」
「まぁ・・・。去年のイブのデートが楽しかったんでしょ?」
「そ・・・・そう・・・・だけどお・・・・でも・・・」
「まあまあ、事情はわかりました!」
「それにしてもごめんね・・・・」
「何が?」
「だって、今日はマリオとデートのはずだったんでしょ?それなのに・・・・」
「もう!デイジーってば、違うわよ!!」
「え?だってだって、毎年イブにはデートだったんでしょ?」
「誰が今年もイブのデートするって言ったのよ!今年はね、デイジーとショッピング
に行こうと思ってたのよ?」
「そうなの?」
「あ〜あ、でもまいっか!!サラサランドのお姫様が不機嫌なら、仕方が無いわ
ね。」
「行く!!ヒマだもの!!!」
「じゃ、行ってきますか?」
「うん!」
「デイジー?今日は、とびっきりオシャレしていくわよ?」
「え・・・?何で?」
「だってイブでしょ?イブのお買い物くらい・・・ね?」
「そうね!」

そういうと、デイジーはピーチに負けないくらいオシャレをした

買い物先は、素敵な洋風のキャンドルなど、インテリア用品やアクセサリーが多い店
だった
「すってきい〜〜♪」
「もう、デイジーってば・・・あら、これなんてどう??」
「綺麗!!貝殻が入った蝋燭?」
「そうそう!あ、ちょっとトイレに行って来るね?ごめん!」
「うん!」
「あ、そうそう・・・。このメモを、もしルイージに会ったら渡しといて!じゃ、
ちょっと待っててね」
「え、ちょっと・・・何なのかしら・・・あ・・・かわいいブレスレット・・・・
(うっとり)いいな〜。こんなの私がつけてたら(妄想中)・・・・もう・・・・
私ったら、バカバカ!!ねえ、ルイ・・・・」

・・・・・・・・

「ばっかみたい!!ルイージなんていやしないのにね!今日はピーチと・・・・・・
え・・・・?」
そこには、見間違えるはずの無い、愛しき恋人・・・・・ルイージがそこに立ってい
た
「あ・・・・やあ・・・・。デイジー」
「なん・・・で?だって、今日は仕事でしょ?」
「あ、いや・・・それがね?昨日ピーチから電話があったんだ。「明日、ちょっと大
事な用事があるんだけどいい?」ってね・・・。」
「ええ・・・・」
「それでね、ここに待ち合わせしてたところ・・・でも・・・・何なんだろう、ね」
「・・・・ルイージ。それがね・・・・実は・・・・かくかくしかじか」
「ええ!?ピーチとお買い物?」
「そう・・・でね、このメモを渡しておいてくれって・・・はい」
「なんて書いて・・・・・・」
「ルイージ?」
「ごめん・・・・デイジー」
「え?」
「あのね、こっちに来て!」
「あ、ちょっとお!!あの、ピーチが・・・」
「大丈夫ってメモに書いてあったよ!」
「え?どういうこと?」
時計は、5時55分を指していた
そして、ルイージとデイジーはタワーのようなところの最上階(屋上)へ上った
「5時59分・・・・」
「ねえルイージ!!いい加減にして!あのね私は・・・」
その時、大きなクリスマスツリーが一気にライトアップされる
「!!・・・うわあ・・・・すごい・・・・」
「・・・・デイジー・・・キミと来たかったんだ」
「ルイージ・・・・」
「実はね・・・・なかなかデートが出来なかったのには訳があるんだ・・・」
「なに・・・?」
「君と過ごすためにいい所無いかなって思って、いろんなところに下見にずっと行っ
てたんだ・・・・もちろん仕事の依頼も多かったんだけどね。でも、慣れてるし。そ
れに、とっても楽しく過ごしたいし」
「そんな・・・・こんな私のために・・・?」
「ほんとうにごめんなさい・・・・あの・・・・デイジー・・・」
「私こそ・・・あ、はい・・・これ。私から・・・・プレゼント・・・」
「え!?」
「本当はね、ピーチにこのラッピングがいいかどうか持って来てたの!」
「そうなんだ・・・可愛いラッピングだね・・・開けるね」
袋を開けると、手編みのロングマフラー
「うわ・・・あったか〜い・・・・手編みなの?」
「ええそうなの・・・ヘンでしょ?編み方もぐちゃぐちゃだもの・・・不器用だし」
「ううんそんなことなよ・・・嬉しい・・・・すごく嬉しい!!それに、上手だよ?
お店に行ったら売っていそうだよ・・・」
「そんな、褒めすぎじゃない?」
「僕は事実を言っただけだよ。あ、そうそう・・・はい、これ、僕から」
「可愛い包み♪開けていい??あ、これ・・・って」
「うん・・・ほら、この間さ、そのブレスレット欲しがってたじゃん。だからね、プ
レゼント」
「ありがとう・・・ちょっと遅れたわね。ルイージ・・・メリークリスマス・・・
・」
「うん・・・。ありがとう・・・」
そういうと、ルイージはデイジーにもらったマフラーを自分に巻き、デイジーにも巻
いた
「ルイ・・・ジ?」
「あったかい?」
「うん・・・・とっても・・・少し寒いけど、この温もりがとても嬉しいわ・・・」
「寒いか・・・・・じゃあ・・・」
ルイージは、デイジーをぐいっと抱き寄せた
「ひゃっ!?」
「ね?こうしたらもっとあったかいよね?」
「え・・・・あ・・・・うん・・・・」
赤面してるのが自分でもわかるくらい、顔が火照ったデイジー
ルイージも実は赤面していた

しばらくして・・・・

「ねえルイージ?」
「ん?」
「ピーチからもらったメモになんて書いてあったの?」
「ああ、あのね。ほら、これ」
メモには・・・・
−大事な事って言うのは、デイジーと・・・・・ね。私は、デイジーにトイレに行
くって言っておいて、マリオと会うつもりだから−
と書いてあった
「もう・・・・ピーチったら・・・だから思いっきりオシャレしようって言ってたの
ね」
「でも、嬉しいよね」
「そうね・・・そうそうルイージ。あのね、ルイージの仕事って何だっけ?」
「ああ、え〜とね・・・配管・・・・」
「ん?」
「いや、違うか・・・・」
「なあに?」
「デイジーを、とびっきり幸せにする事、と・・・・デイジーを守る事!!(赤
面)」
「えへへ・・・いい仕事ね!」
「あっははは・・・・」
「・・・・今日の事は、忘れないわ・・・今はとびっきり幸せよ」
「良かった・・・・もうちょっとこっちおいで?」
「うん・・・・」
ルイージは、デイジーをもっと抱きしめた

ハッピー&スイートクリスマス・・・・


終わり




 
(凛さんコメント)
長くなってしまいましたね・・・
甘甘・・・・のつもりですが・・・・どうでしょう?
なんだか展開がわけわかんないって言う人もいるかも・・・・
もしそうだったらごめんなさい!!!

でも、書いてて楽しかったですね
だって私の大好きなルイージ×デイジー、ですもの

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