ウェンディ

Wendy O. Koopa  コクッパの紅一点。首から下と同じ明るいオレンジの顔にピンクの甲羅と唇、青い瞳の女の子。男連中とは違ったお洒落のこだわりがあるのか、ピンクに白の水玉のリボンや赤いネックレス、金のブレスレットやピンクのハイヒールなどを身に着けています。ゲーム画面では、赤い顔と甲羅で白地に赤い水玉リボン。しかし、髪の毛がない頭に一体どうやって大きなリボンを装着しているのかは謎。両面テープ?
 声優は、『NSMBW』ではLani Minella、アメリカで放送されていたアニメではPaulina Gillisです。

 『SMB3』では海の国、『SMW』ではチョコレー島、『ハンティング』では土管コース、『M&L』ではクッパ城・ウェンディの部屋、『NSMBW』ではワールド6の砦と城のボスでした。
 『SMB3』では壁や床に反射する浮き輪のようなリングを発射して攻撃しました。このリングは複雑な動きをするし、レミーのボールとは異なり上に乗ってやり過ごすこともできないため、『SMB3』最強のコクッパはウェンディだと言う人も多いです。『SMW』では土管からダミー2体と共に顔を出す、モグラ叩きのような戦い(バブル2個つき)。いずれもレミーと同系でより強力な仕様の攻撃というのは何か意味があるんでしょうか? 『ハンティング』では他のコクッパとは違ってメカには乗り込まず、土管からウェンディ本人が顔を出して戦います。『M&L』ではマリオとルイージが二手に分かれ、土管から顔を出すウェンディを殴ると、怒った彼女が土管から出てきて戦闘開始。プチブレスとマリオ達を2人同時に攻撃するツインリングで攻撃する他、分身も使います。分身もレミーと共通ですね。なんでこんなに似ているんでしょう? ウェンディは爆弾が爆発するまでの8ターン以内に攻略しないといけません。『NSMBW』においては、砦では杖から光のリングを発射しますが、これは『SMB3』の時と同様に壁や床に反射します。2回踏むとリングを2つ出します。ウェンディの魔法を撃つ動作は、杖を構えスピンして飛び上がり、前に振り下ろしてリングを放つというものです。城では、攻撃法自体は砦と同様ですが、室内に水が満ちたり引いたりします。ウェンディが杖からリングを出す時の動作は、杖を構えてスピンして飛び上がり、前に振り下ろすというものです。
 また、これらは日本では発売されていないのですが、『Mario is Missing!』のPC版では城の3階の、『Hotel Mario』では6軒目のホテル「Wendy's Blitz Snarlton Hotel(ウェンディのブリッツ-スナールトン=ホテル)」のボスだそうです。『ホテル』では開いたドアから白い翼の生えたハートを召喚して攻撃してきたそうです。カジノをモチーフにした彼女のホテル「Blitz Snarlton Hotel(ブリッツ-スナールトンホテル)」とは「Ritz-Carlton Hotel(リッツ-カールトンホテル)」をもじったのものです。「Blitz」は第二次世界大戦のドイツ軍による「Blitzkrieg(電撃戦)」を機にドイツ語から英語に入った言葉で、「急襲する・猛攻撃する」といった意味になります。「Snarlton」は「snarl」を変化させたもので、「snarl」は「唸る・がみがみ言う・怒鳴る」というような意味なので、合わせると「急襲して怒鳴りつけるホテル」とでもなるでしょうか? ウェンディが登場する面は「Wendy O's Sweet Suite(ウェンディ-O.のスイートルーム)」と呼ばれます。

 ウェンディは母親似だというネタが時々ありますが、コクッパ達の母親の姿が明らかになっていないので真偽の程は不明です。そういえばコクッパとクッパJr.の母親は同じなのかということも謎ですね。7兄弟とクッパJr.はかなり年が離れているようにも見えますが、どうなんでしょう?

 Wendyという名はウェールズ語の女性名グウェンドリンGwendolynから派生したもので、「白い・美しい・神聖な」といった意味です。J.M.バリの『ピーターパンとウェンディ』によって広まりました。
 海外版のフルネームはWendy O. Koopaというんですが、「O.」って何なんでしょうか。ミドルネーム? Koopaprinceさんの説によれば、元ネタはウェンディ=O=ウィリアムズWendy O. Williamsらしいです。パンクバンド「ザ=プラズマティクスthe Plasmatics」のボーカルで、ギターや機材を破壊するパフォーマンスで知られていたとか。そんな彼女たちのパフォーマンスが具体的にどんなものかというのは、まぁ百聞は一見に如かずですよね、という訳でこちらをどうぞ。っていうか格好いいな……アルバム買っちゃったよ。モヒカンが彼女のトレードマークですが、レインボーヘアー(この時は立ててなかったけど)な画像も見たことがあります。スキンヘッドはやってなかったんでしょうかね。Wendy O. Koopaの「O.」は、元ネタと同じなら「Orlean」の略なんでしょう。「Orlean」は「Orleans」の変化形で、ジャンヌダルクの生地として有名な「オルレアン」のことです。ですが、二次創作においては、ウェンディが海のステージとの関わりが多いことから、「O.」は「Ocean(大洋)」を意味しているという解釈を時折見かけます。ところで、恐るべきパフォーマーWendy O. Williamsは、実は熱心な自然保護・動物愛護活動家でもあったそうで……(特に海外において)わがままで欲張りで虚栄的とイメージされることの多いビデオゲームのキャラクターの名に使ってしまってよかったのかと心配になりましたが、それを言ったらコクッパ全員こじつけだし、こんなところで細かいことをウダウダ気にしてても仕方ないのでなんかもういいやもう(←いいのかよ)。

 アニメ版のウェンディはクーティ-パイ(Kootie Pie)という名になっていましたが、これはcootieという単語をKoopaに合わせて綴り変えたものだと思います。で、cootieというのは虱のことなんで、「虱パイ」? ……なんだか食欲が減退してきました。ああそういえば『魔界帝国』でピザに毛虱のトッピング云々ってシーンがありましたっけ……って、そういうことじゃないですよね流石に。クーティ-パイとはきっとスウィーティ-パイ(sweety pie、愛しいお前)或いはキューツィ-パイ(cutesy pie、かわい子ちゃん)のもじりだと思います。「嫌な奴」とでもなるんでしょうか。ひでぇ。
 『The Adventures of Super Mario Bros. 3』のDVDボックスのボーナスディスク収録の『The Adventures of Super Mario Bros. 3 Writers Bible』によれば、「She's snobbish, spoiled and deceitful, and those are her good traits. A vain teen queen, Kootie Pie despises the princess and her goody-two-shoes ways. King Koopa gives her everything she asks for. He turns into a totally permissive parent whenever Kootie Pie whines "I want!". Anything anybody else has, Kootie Pie wants. And anything she already has, she wants two of. Kootie Pie is not that bright, but has megawatts of intensity and laser-sharp focus. When she gets hold of an idea, she does not let go. 」「彼女はお高く止まって、甘やかされてわがままで嘘つき、そしてそれらが彼女の長所です。虚栄心の強い十代の女王様、クーティ-パイはプリンセス=トードストゥールの善良ぶったやり方を軽蔑しています。キング=クッパは彼女が求めるものは何でも与えます。クーティ-パイが「あたし欲しいの!」と泣く時にはいつも彼は子供にまったくしたいようにさせる親に変わってしまいます。誰のどんなものでもクーティ-パイは欲しがります。そして彼女がすでに持っているどんなものでも、彼女は2つ目を欲しがります。クーティ-パイはbright(輝いている・利口な)ではありませんが、メガワットのintensity(光量・激しさ)とレーザーのように鋭い集中を持っています。彼女がある考えを抱いたときには、それを手放しはしません」とありました。ダブルミーニングな表現を訳すのは難しいですね。

 『SMB3』の取説での台詞は「アタイはマリオと戦うのは初めてだからこの表でよーくマリオの動きを研究しとくのさ」。……スケバン(←死語…って88年当時はまだ使われていましたっけ)っぽい? あの可愛らしい装いとはミスマッチな気も。アメリカ版では「This is the first time I've met up with Mario. I'm studying his moves very carefully.」。「アタイがマリオと戦うのはこれが初めてだ。アタイはあいつの技をよーく研究してるのさ」とありました。新アクション説明のページに書かれています。
『NINTENDO POWER』に掲載された『SMB3』攻略記事の台詞は「Hey Mario! Try some of my candy rings, I think you'll be surprised how they taste!」でした。「ちょっとマリオ! アタシのキャンディ-リングを試してみなさいよ、きっとビックリする味わいだと思うわ!」。ここではあのリングはキャンディに譬えられていますね。

 『SMW』のウェンディの城クリア後の英語版メッセージは「Wendy O. Koopa in castle #6 has sung her last song. Mario must meet the challenge that is now before him. There is a sunken ship that appears to be a gateway to the Valley of Bowser.」「6番目のお城のウェンディ=O.=クッパは最後の歌を歌いました。マリオは今彼の前にある難題にうまく対処しなければなりません。魔王クッパの谷への入り口の沈没船が現われました」です。ウェンディは歌をよくするという設定があるんでしょうか?
 アメリカ任天堂の『SMW』(『SMA2』)紹介ページでのウェンディの説明は「The only Koopalette, Wendy O. takes a lead from Lemmy and hides in pipes with two decoys. When the trio pops out, take a careful look and hop on the head of the only authentic Koopa. Three direct hits and you're neutralized the threat.」「唯一の女のコクッパ、ウェンディ=O.はレミーから手がかりを掴み、2体の偽者と共に土管に隠れます。3体が飛び出したら、注意深く見て本物のカメだけに飛び乗ってください。3回直撃すれば脅威を無効化できます」となっています。
 『NSMBW』日本版公式サイトでのキャラクター紹介ページでの説明は「おしゃまでおてんば、勝気な女の子。壁ではねかえるリングを投げて攻撃してきます」。
 MS-DOSの『ミッシング』でのウェンディの台詞は、以下に示すようなものです。「Hey, how 'bout a kiss, Luigi-kins? No kiss? Then no brother!」「ねぇ、キスはいかが、ルイージちゃん? キスしないの? それじゃお兄さんには会えないわね!」「Still carrying a torch for me, hot shot?」「まだアタシに片思いの炎を燃やしてるのね、消防士さん?」「Big deal, one Portal locked. Return all the artifacts you want, Luigi-pie, WE'LL STEAL MORE!」「大したものね、ひとつ鍵が掛けられちゃったわ。あんたが望む遺物は全部返してあげるわ、ルイージちゃん。アタシたちはもっと盗んでやるんだから!」「Luigi, are you afraid of a few teensy-weensy turtles? Face it, handsome, you're not plumber enough to save Mario!」「ルイージ、あなたはほんのちょっとしかいないちっちゃなカメたちが怖いの? 正直に言うわね、ハンサムさん。あんたなんかじゃマリオは助けられないわよ!」「Let's hug and make up, Luigi baby. Wendy wants violets, not smelly old fire flowers.」「ハグして、仲直りしましょう、ルイージちゃん。ウェンディはスミレの花が欲しいの、臭くて忌々しいファイアフラワーなんかじゃなくって」。

 『大事典』では性格は気取り屋ということになっていました。『全キャラクター大百科』では「マリオに対してはキビしいけど、仲間うちでは、やさしい女の子かも」と推測されています。米アニメではわがままな駄々っ子。誕生日プレゼントにアメリカが欲しいと言って、床に寝っ転がって大騒ぎしたり。16歳でこれはねぇよ6歳の間違いじゃねぇのっていうくらいの駄々っ子っぷり。男兄弟ばかりの中のただ1人の女の子ということで、甘やかされて育ったという解釈のようですね。日本だと、男兄弟ばかりの中のただ1人の女の子だから特にしっかりしているというイメージを持たれていることが多いような気がしますが。さて、アメリカの女帝になったクーティ-パイはその後、アメリカ中のきんを彼女のためのアクセサリーにするべしといった条文を含む法令を布告するんですが、こうした高価でキラキラするものが好きという設定はマンガのウェンディにもあったようで、ラリー他の項で紹介したマンガでは父の日のプレゼントについて「えっとね、アタシが思うにパパはキレイでキラキラしたものが欲しいのよ! アタシのためのダイヤの指輪みたいなものじゃないかしら!!」なんて意見を述べています。
 コクッパただ一人の女の子ということでキャラ立てがしやすいのか、マンガでの出番は一番多いです。……あまりろくな扱いは受けてないけど。
 「美人のピーチとブスのウェンディ」というのは定番ネタと化してましたね。ピーチと張り合おうとして失敗したり笑い者にされたり、マリオに惚れるけど上手く行かなかったり……。
しかし、ウェンディってそんなにブスなんでしょうか? 実はピーチに似てるんじゃないかという気がします。大きな青い瞳、長い睫、ふっくらしたピンクの唇……ほらこんなに共通点が! 身に着けているものもピンクだし。案外、カメ的には美少女ということになってるんじゃないかと思います。カメ達にまで不細工扱いされるネタばかりでしたけど、じゃあそもそもカメがヒトに欲情するのはまともなことなんですかどうなんですかそこんところをもっと詳しく(←落ち着け)。……『コレクション』公式ガイドには「美(?)少女クッパの恐怖の新体操!」なんて煽り文が載ってましたね。本山先生の『スーパーマリオワールド3巻』でも「美少女ウェンディの墓」という墓碑銘がありましたが、しかしこれはウェンディの心を思ってのことと解釈しています。直前に「あたいだってこんな顔に生まれてなかったなら…」というシーンがあったし、本山先生は(ウェンディ好きには実に辛い)「美人のピーチとブスのウェンディ」ネタをしばしば描いていたし。
 個人的には路みちる先生のウェンディが好きです。ピーチと仲がいいところとか。

 海外のコクッパファンの間で回っていた『「あなたはどのコクッパ?」バトン』での、ウェンディに関する質問は以下のとおりです。
  ・甘やかされている
  ・しょっちゅう癇癪を起こす
  ・しばしば化粧をする
  ・海の国を占領したい
  ・ピンク色が好きだ
  ・宝石が好きだ
 ……あなたはいくつ当てはまりましたか?

<モートン コクッパとは? イギー>

戻る